東京格安音楽企画・音楽サークル身内大集合

大手レコード会社幹部に聞く音楽事情~音楽サークル・身内大集合~東京の格安音楽企画

大手レコード会社幹部に聞く音楽事情

レコード会社は21世紀の音楽産業の中で、どんなポジションを占めていくのだろうか。82年頃からCDへの以降が始まったが、ネット配信元年を直前にして、レコード業界の秩序は大きく変わろうとしている。今の現状はどうなっているのか、いかなる問題を抱えているのかを、大手レコード会社幹部に率直に語ってもらった。「レコード産業の場合、その発展がみられるきっかけは大きくとらえると、ひとつはスーパースターの新たな登場。これはソフトウェアの部分です。それから、技術革新による新しいキャリアの普及です。キャリアとは音を埋め込んだ機材ということです。かつてはLP、今はCD、将来はそれが何になるのか。産業的にみればこの二つがレコード産業発展の原動力になっていく。歴史を振り返ってみると、19世紀の終わりにアメリカのトーマスーエジソソが円筒形の音響再生装置を発明した。それよりもちょっと遅れてドイツのエミール・ベルリナーが円盤型の音響再生装置を発明した。エジソンの方が知名度は圧倒的に高いんですが、音楽産業に関してはベルリナーの勝ちで、彼の発明が導火線となって、19世紀末にドイツにグラモフォン社、イギリスにEMI社ができた。これが音楽産業の起源なんですよ。これをみてもわかるように、発明された商品が発展の土台、起爆剤になっている。以上のようなバックボーンの中から、最初のスーパースター、イタリアのエンリコーカルーソがドイツのグラモフォン社で録音した。彼はクラシックーテノールの人だったんですが。1930年代から40年代にかけてはビングークロスビー、40年代から50年代のプランターシナトラ、50年代から60年代初頭のエルグィスープレスリー、60年代以降のビートルズというように、スーパースターの登場によって音楽産業は伸びていった」とはいえ、当時の音楽産業は消費大国だったアメリカでさえ、各レコード会社の年間売上高は50~80億程度だった。中小企業に毛が生えたようなものだ。そんな音楽産業に、革命が起こったのはビートルズが登場してからである。「圧倒的な音楽産業になったのはビートルズからですね。それまではアメリカでも30万枚売れれば大ヒットと言われたものです。音楽産業は技術革新によるキャリアの新発明が市場を拡大するし、それと同時にスーパースターの登場でも拡大する。両方が合わさればざらに拡大する。現在その二つの要素の新たな台頭の夜明け前ということでしょうかね。そこで、では、キャリアは何か。それはまだわからないけれども、何かが登場してくるでしょう。CDの普及は世界的にみるとまだ成熟度は低いけれども、日本はものすごく早いから、CDの次のキャリアを待ち望んでいる。でも次のキャリアはここ10年間に登場した商品でもなさそうだ。では、ノンパッケージになるのか。可能性はあるが、まだいつ頃どこまで普及度が上がるのかはわからない。それにスーパースターやスーパーカテゴリーの登場も待たれている。ここにきてラテンの台頭が世界的にみえてきていますね。それから、ストリートラップの台頭、インディーズの台頭などはカテゴリーの台頭の例です。次のスーパースターが誰かはわからないが、世界共通のスーパースターがいずれ登場してくるのは間違いないでしょうね」メジャーによる企業の買収・合併(M&A)は一段落したが、今後もいつ新たな動きが開始されるかわからない。流通再編は待ったなしで始まろうとしている。ネット配信の将来はどうなっているのかも興味あるところだ。「メーカーの側からみると、やがて、資本の再編成、流通の再編成、物流の再編成などが世界経済基準のベースにのっとって、うねりのように押し寄せてくるだろう。今は6大メジャーから5大メジャーになったばかりだ。メジャーがどうやって世界を仕切っていくのか。方向が出てくれば当然メジャーの動きに対して反発や反動がカウンターパワーになっていく。その中で組織も生まれるけれども、新しい音楽文化も生まれてくるでしょう。今はその揺籃期なんでしょうね。また、流通や物流の再編には、世界的にアメリカ基準の合理化精神が横溢している。今後はM&Aを含めてどんどん加速していくだろう。すでに欧米ではそれが始まっているから、日本がその渦に巻き込まれていくのは当然だろう。世界第2の経済大国、企業大国なのだからそうなるのは当たり前です。消費者の動向についてみてみると、選択肢の多様化と価値観のクエスチョンマークということだろう。選択肢の多様化はあっても、価値観の多様化はたぶんないのではないか、という説も出ている。むしろ価値観の同一化の方が強くなっていくかもしれない。「今の時代は、いい音楽を作れば必ず売れていたパッケージ時代の花だった1960年代とは違っている。売れるものを作るんだというのが90年代後半の現状です。リリースする曲のすべてがヒット狙いで曲が作られるようになってきている。音楽という創造性を要求される部分と、企業統治・企業経営という相反する要素を統合していかなければならないという難しさをレコード会社は要求されているんです。言い換えれば、いい音楽は絶対に当たると信じて、これまでは2年間かけて売ってこれたのに、今はグローバルスタンダードの導入で、3ヵ月ごとの準決算単位で利益を出すように求められるようになってきた。これでは本来の音楽という感性の仕事とはなかなかマッチしない。しかし、レコード会社はその両方を両立するように経営をもっていかなければ、取り残されてしまうんです。その厳しさに、レコード産業全体が取り囲まれてきたということでしょうね。デジタル配信事業についての考え方もレコード会社各社のポジションの違いが頸著にみえてきています。電機メーカー系列やエンターテイメント系列のレコード会社は、いろんな意味で先陣争いが激しい。エンターテイメント系はもう少し市場の動向を確認してから参入しようという傾向が強い。つまり市場重視型・現実ビジネス優先型ですね。しかし、消費者からみた場合、選択肢の多様化だけは間違いなく進んでいくでしょう。携帯電話もケーブルテレビもあるし、インターネットでホームページを楽しむ。レコード、映画、ゲームと(選択肢は)いくつもある。テーマパークもありますね。その中で、どれかが突然人気が出る傾向になってきている。それに比べると価値観の多様化はマスを広げてないから、そんなにパワーにはなっていない。むしろその中で一人勝ち現象というか、一極集中化で価値観の同一化が世界的規模で起こっていくかもしれない。一方、音楽の供給側から言うと、デジタル配信事業の企業化などが今後どんな形で成功の道を進むのか。その糸口がどこにあるのかはまだ見えてこない。電機メーカー各社は待望久しい新機種の登場だと期待をかけていることが、レコード業界の状況をものすごくあおっている。だがそれはサプライサイダーや発信サイドの経済学というか、サプライサイダースーエコノミックですよ。サイレントマジョリティが何を期待しているのかというのは少しもわかっていない」音楽産業はかつての牧歌的な時代が終わって、企業として生き残ることを要求されている。音楽という人間の感性に訴える文化にも否応なく軋みが入ってこざるを得ないのだ。そしてアーティストたちも岐路に立たされようとしている。一方、電機メーカー系は開発型と言えるでしょう。いずれにしろ、レコード産業の原点はビジネスと創造です。技術革新が進み、市場がどう変化しようと、また消費社会の変化や世界ルールの変更があっても、ビジネスと創造という原点は変わらない。それは別の言葉で言えば資本力と人材です。音楽は芸能であり、芸術であり、文化なんですね。人間の心の情緒に訴えかけるものであり、つまりはアナログの世界です。音楽がいちばん輝くのは夜の世界だし、音楽の本源は神秘とか魔力、クリェイティビティなど心の非論理の世界なんですよ。それとロジック、合理性を追求するビジネスの展開とは本来的になかなかなじみにくい。その二つの分野を音楽産業は抱合してシステム化してきた」音楽や音楽産業が消え去ってしまうことは絶対にない。だが、個々のレコード会社には生き残りをかけた試練が待ち受けている。トップの経営判断の誤りが、結果として社員に苦汁をなめさせることにならないとも限らないのだ。そんな時代に各社は今、何を模索しているのだろうか。「レコード産業が今、どこも苦労しているのは産業化して巨大になってしまったからだ。以前はレコード会社の年間売上高はアメリカでも80億円~100億円ぐらいだった。しかし、日本でもSMEは1100億円以上だし、東芝EMIやユニバーサルも800~900億円になっている。この売上高を稼ぐのに、扱っている商品はCDシングルー枚800~1200円、アルバムでも平均3000円前後の小額商品ですよ。これで1000億円稼ぐのは並大抵の仕事ではありません。昔はレコード会社の社員にはより天才的な創造性が多く求められた。現在は創造性はもちろん大事ですが、それと同じくらいに会社を維持していくためのオ。ベレーションシステムが必要になっている。昼の仕事をきちんとこなしていける優秀なサラリーマンも重要なんですよ。そんな中で、レコード会社がだんだんと企業化していって、音楽を作るという創造性の部分がどんどん外部に流出する傾向になるのはたぶん仕方のないことでしょう。しかしあまりにそれが行き過ぎると、レコード会社も内部に蓄積したくなる。そのバランスの繰り返しでしょう。今は外部の能力に頼る部分が大きくはなっていますが……。元々、音楽産業はプロダクション機能もマネジメント機能も、原盤権や著作権を管理するアセット機能も、全部レコード会社がやっていた。業界が大きくなってくると分業化するのは当然の流れです。音楽業界の将来については誰も語る内容は似たりよったりでしょう。パッケージビジネスは今後どうなっていくのか。ノソパッケージビジネスがいつ頃どれくらいの規模で本格的に台頭してくるのか、ということでしょう。この動きはレコード会社の在り方、表現者の在り方、流通の在り方のすべてを変える可能性がある。しかし、ではノソパッケージビジネスだけになるのかといえば、私はそうはならないと思っている。レコード会社や流通の今後についてはアメリカレコード協会同様の言い方ですが、『配信ビジネスの進展を歓迎する。ただし、従来のパッケージビジネスの体系を崩さずに、新たなビジネスチャンスとなることを前提に』ということです。これが、お互いを殺し合うようなことになるのは断固認めがたいという立場です。もっともそれを決めていくのは消費者の動向ですが……」
激動するレコード業界
ミリオンセラーの暗闇
アーティストのリストラも開始
制作は外部起用が主流
拡大する音楽プロダクションの影響力
岐路に立たされたレコード業界
消えるレコード会社、生き残るレコード会社
ベストアルバムの功罪
現実となった音楽業界の倒産劇
本格化する音楽ソフトのネット配信
音楽界のネット通販の将来性
音楽のネット配信は普及するか?
スターデジオー00Sレコード業界
アメリカのネット配信事情
日本企業のCS放送進出
「MP3」、「メモリースティックウォークマン」
大手レコード会社幹部に聞く音楽事情
揺れる音楽著作権の概念
坂本龍一の「メディアーアーティスト協会」
音楽の著作権元管理は妥当か?
レコード会社各社の動向
音楽著作権の「在り方」の変化
多岐にわたって生じる音楽著作権問題
大手音楽出版社社長に聞く
イメージ通りか?音楽業界の仕事
音楽業界のレコーディングについて
音楽プロダクションについて
音楽出版社の実情
コンサートプロモーターについて
大物音楽プロデューサーに聞く音楽事情
生き残りを賭けて模索を続けるレコード会社
音楽業界、SMEの実情
音楽業界、東芝EMIの実情
ワーナーミユージックージヤパンの音楽事情
音楽会社、ユニバーサルミュージックの話
エイペックスの音楽ばなし
ビクターエンタテインメント音楽会社のはなし
ユニバーサルビクターの音楽事情
ポニーキャニオンという音楽会社
日本コロムビアという音楽会社
日本クラウン音楽会社
ティチクという名の音楽会社
フオーライフレコード音楽会社について
巨大産業となった音楽業界
ヒット至上主義からの脱却