東京格安音楽企画・音楽サークル身内大集合

岐路に立たされたレコード業界~音楽サークル・身内大集合~東京の格安音楽企画

岐路に立たされたレコード業界

消える会社と生き残る会社との差が歴然としはじめてきている。つまり、CDの登場から17年を経てこれまでは一貫して右肩上がりで成長を続けてきたレコード業界が今、右を選ぶべきか左を模索すべきかの岐路にまさに立だされているのである。個人消費の伸び悩みは依然として厳しい。そんな時代背景を目の前にしたレコード業界に、一方で流通コストの引き下げを可能にするデジタルネット配信という脅威が差し迫っているのだ。音楽の単価はこの先、確実に暴落していくのではないだろうか。この数年間、レコード会社は確実なヒットが見込める、有カアーティストのベスト盤を投入することで、売り上げ激減を避けるべく急場をしのいできた。「しかし、これからはそんな急場しのぎの小手先の小細工では絶対に生き残れません。今後は経営の効率化といかにして商品価値を高めていくのか、そこに対する努力の差が帰趨を決めることになるんでしょうね。これはもう後戻りのできない、今のレコード会社が抱えている現実です」(音楽評論家)先にも多少は触れたように、音楽業界はここ数年、構造的ともいえる不振に苦しんできた。しかし、ポエーキャニオソや東芝EMIなど老舗のレコード会社が、そのジレンマに陥っていた。それは今年になって、東芝EMIは宇多田ヒカルの大ブレイク、ポユーキャニオソはひょんなことで99年春、280万枚の大ヒットを飛ばした「だんご3兄弟」に助けられて、かろうじて赤字体質から脱出できそうではあるが、そんなものはしょせん一時期の僥倖に過ぎないのだ。「ソニー(SME)の99年3月期の業績は、売上高は前年比8%減の1052億円、経常利益は同91%減の13億円まで落ち込んでいます。しかも、これは子会社のソニー・コンピュータIソタテイソメソト(SCE)が、プレイステーションが売れに売れて、その株主利益を連結決算して出した利益に過ぎない。SME本体だけでみると、売り上げは1000億円をどうにかクリアしたものの、テレビのスポットCMなど宣伝費用だけでも、98年は推定120億円も注ぎ込んで、その割りにはヒット曲が少なくて、そのために本体は赤字決算を余儀なくされてしまったわけですよ。その一方で、例えばエイペックスやトイズファクトリーなどの新興勢力が勢いを伸ばしている。音楽不況が囁かれる中でも、若者の嗜好を巧みにつかんで業績は年々うなぎ登りなんですよ。その中でもエイベックスは99年3月期決算で、売上高は前年比6%増の509億円、経常利益は同じく24%増で55億円と絶好調です」(前出、評論家)エイペックスの売り上げはソニーの半分にもかかわらず、経常利益でソニーを大きく引き離したのにははっきりとした理由がある。SMEの社員が1600人もいるのに、エイペックスはわずかその6分の1、260人に過ぎないのだ。これでは人件費など固定費負担で大きな差がついてしまうのは当然なのだ。両社のあいだには会社としてのシステムの違いもある。ソニーや東芝EMI、ビクターエンタテインメント、日本コロムビアなどは制作から生産、宣伝、営業まですべて自前主義で総合会社なのに対して、エイベックスなど新興勢力は制作と宣伝に勢力を集中して、営業や販売などはソニーなどの総合会社にゆだねる方針を貫いているのだ。その結果は明らかだろう。制作から営業、生産まで自前主義でこれまでやってきた大手企業が、今では人件費など固定費の重みに耐えかねてアップアップしている、というのが実情なのである。「ソニーミュージックエンタテイソメソトの丸山茂雄社長は、一時期ソニー・コンビュータエンタテイメントの社長に出向し、そこでプレイステーションを今の爆発的な大成功に導いて、古巣のSMEに社長として凱旋してきた。ソニーイズムを体現してきた丸山社長は、それまでの自前主義に大きくメスを入れることになった。同社はこれまでに900億円以上の内部留保を積み上げているんですよ。だから、自らの意思で辞めていく人たちは別として、ただちに人員整理をする必要までは迫られていない。そこで、思い切ってA&Rを導入して、外部から小室哲哉や小林武史という大物プロデューサーをスカウトしたんです」(前出、業界紙記者)こうして、ソニーは制作部門に外部の人材を積極的に取り入れ出している。「その点、東芝EMIの斉藤社長は今でも、あくまで自前主義にこだわっていますね。同社はSME同様、99年3月期の売上高は宇多田ヒカル効果で、どうやら対前年比一ケタ後半の伸びを確保して、当初の決算予測を大きく上回ってはいます。しかし、それは社員のリストラ進行中に、たまたま宇多田の大フィーバーがあったからなんですよ。同社は同じく苦戦を強いられていた老舗レコード会社としては、徹底した予算の見直しと人員削減に真っ先に手をつけて息を吹き返しました。斉藤社長が社長に就任した97年以降、東芝EMIはヒット曲がほとんど生まれず、2年連続の赤字決算に苦しんでいた。就任1年目の98年3月期は前年同月比15%減の714億円と、塗炭の苦しみの真っ只中にあったんです。それが、98年末からの宇多田ヒカルの大ヒットで業績は急好転することになるんですが、それを支えたのは斉藤社長が就任してから打ち出した、音楽とは直接関係のない部門の閉鎖と、早期退職優遇制度の導入で、人員削減に着手していたことです。今から2年前には1200名いた社員も現在は990人にまで減っている。この固定費負担軽減が宇多田のヒットで一気に収益を回復することになった主たる理由なんです」(芸能プロダクション関係者)東芝EMIは社員だけでなく、アーティストたちに対しても大ナタを振るった。それまで170人いた契約アーティストを、なんと2年間の間に110人まで削減。このうち約45人は新規に契約したアーティストで占められ、100人以上のアーティストを契約解除という形でクビを切っている。しかし、同社に今も在籍している中堅社員によると、昨年末に実施した50歳以上の中高年社員の早期退職優遇処置による退職をみると、不況下にあえいでいる日本の現実がみてとれるようだ。「この退職勧奨では経営幹部たちも、10人ぐらい辞めてくれればOKという腹だったようなんです。ところが、いざ実施してみると約50人ぐらいが求めに応じて退職の道を選んだんです。退職した人だもの多くは、会社に残ったとしてもすでに出世や昇給の道はストップしてしまったし、ここらあたりが潮時という判断だったんだと思います。私だって一瞬、彼らと同じ思いにはとらわれましたよ。しかし、まだ子供たちが在学中だし、家族のことを考えると、私―人が勝手な行動は取れないと優遇処置の誘惑を振り切って、会社にとどまりました。しかし、先立って聞いた話では再就職できたのは、50人のうちわずか1人だけだという話でした。若い人たちはともかく、我々50歳を過ぎたサラリーマンには退職後の再就職はあまりにも厳しい。だから私は同期の連中とたまに顔を合わせて酒を飲む席などでは、おたがいに後ろから肩をたたかれても、知らんぷりをして絶対に後ろを振り向かないようにしようぜ、せめて、あと5、6年間はじっと我慢して耐え抜こう、なんてね、冗談半分に話し合ったりしているんです。それが現実ですよ」社内からはそんな声さえ聞こえてくる。
激動するレコード業界
ミリオンセラーの暗闇
アーティストのリストラも開始
制作は外部起用が主流
拡大する音楽プロダクションの影響力
岐路に立たされたレコード業界
消えるレコード会社、生き残るレコード会社
ベストアルバムの功罪
現実となった音楽業界の倒産劇
本格化する音楽ソフトのネット配信
音楽界のネット通販の将来性
音楽のネット配信は普及するか?
スターデジオー00Sレコード業界
アメリカのネット配信事情
日本企業のCS放送進出
「MP3」、「メモリースティックウォークマン」
大手レコード会社幹部に聞く音楽事情
揺れる音楽著作権の概念
坂本龍一の「メディアーアーティスト協会」
音楽の著作権元管理は妥当か?
レコード会社各社の動向
音楽著作権の「在り方」の変化
多岐にわたって生じる音楽著作権問題
大手音楽出版社社長に聞く
イメージ通りか?音楽業界の仕事
音楽業界のレコーディングについて
音楽プロダクションについて
音楽出版社の実情
コンサートプロモーターについて
大物音楽プロデューサーに聞く音楽事情
生き残りを賭けて模索を続けるレコード会社
音楽業界、SMEの実情
音楽業界、東芝EMIの実情
ワーナーミユージックージヤパンの音楽事情
音楽会社、ユニバーサルミュージックの話
エイペックスの音楽ばなし
ビクターエンタテインメント音楽会社のはなし
ユニバーサルビクターの音楽事情
ポニーキャニオンという音楽会社
日本コロムビアという音楽会社
日本クラウン音楽会社
ティチクという名の音楽会社
フオーライフレコード音楽会社について
巨大産業となった音楽業界
ヒット至上主義からの脱却